パリで餅を売った女

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わたしの知り合いの友達は、



パリに行ったとき、お金を盗まれたそうです。














経緯はよく分からないのですが、



彼女はそれで日本に帰れなくなってしまったそうなんです。



















ここからがびっくりする話なのですが、



日本に帰るお金のなくなった彼女は、



パリの道端で、日本の餅を焼いて売りはじめたそうです。



(醤油にのりを巻いたやつ)















ホットプレートで餅を焼いて、パリの街の人にむけて売り、



そしてそこで稼いだお金で日本に帰ったらしいんです。



(バーに住まわせてもらったらしい。)

















彼女は何ヶ国語も話せるくらい頭がいいのですが、



お金を盗まれたら、大使館に行く、という、発想はなかったらしいです。


























わたしは、知り合いの人と歩いているときに、



その女性と会ったのですが、



去り際に、



「良い一日を!!!」って言われました!


(しかもちょっとカタコト。ヨイイチニチを!って感じだった。)


















多分、何ヶ国語も話せるので、


「Have a nice day!!!」を直訳したんだと思います。






















パリでお金を盗まれて、餅を売るなんて、



そんな物語みたいな話があるのかと思ったのですが、



日本人なのに「ヨイイチニチを!!」っていう人は、



パリで餅も売るよね、って思いました。



























わたしはこの話を聞いたとき、


一文無しになるのも楽しそうだと思いました。























だって、お金がなくなることって、


可能性に満ちあふれてると思ったから。



























わたしも一文無しになったら、


道で餅を売るような、


素敵な女性になりたいです。