わたしを心配する人へ
☆
人の助言って結局は、
不幸にならないため、
失敗しないためにある。
恐れていることが、起きないため、
起きて欲しくないことが、起きないためにある。
「やめときなさい。」
「こうしなさい。」
ママが亡くなったあと、
いろんな人から、いろいろ言われた。
だけど、わたしに、そんな助言、
すごくお門違いだと思った。
なぜって、もうとっくに、
あなたが心配する以上のことが、
起きてしまっているから。
「これは善い」
「それは悪い」
生き方の「善い」「悪い」を語るのは、
人生の政治論争みたいだ。
そんな政治は、
いつどんな時でもしたくない。
疲れるだけだし、
そこに意味も終わりもないから。
特に大切な人を失ったあとには。
あなたが心配すること、
それは本当にささいなこと。
そんなことを議論する気力は、ない。
私は、将来困ってもいいし、
お金が全部なくなってもいい。
後悔してもいいし、
絶望してもいい。
そんな小さなこと、怖くない。
正直、わたしにもう、
怖いものなんて何もない。
だってもう、
この世で一番失いたくなかったものを、
失っているから。
だってもう、
失ったら生きていけないと思っていたものを、
失っているから。
だってもう、
この世で一番起きて欲しくなかったことが、
起きてしまったから。
だってもう、
この世で一番恐れていたことが、
起きてしまったから。
そして、それは、
「大丈夫」だったから。
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